ストームグラスで結晶ができないときは?
ストームグラスは何度か作っていまして、かなり適当に作ったケースでも問題なく結晶の変化が見られています。
ただ、「失敗」のキーワードでうちへたどり着かれる方がけっこういらっしゃるので、気になった点をまとめておこうと思います。
適当にやっても大丈夫なポイント
材料
硝酸アンモニウム(硝酸イオンとアンモニウムイオン)
塩化カリウム(塩素イオンとカリウムイオン)
しょうのう
エタノール、水
私が試した感じですと、次のような場合はうまく結晶ができました。
☑️塩化カリウムのかわりに塩化ナトリウム(食塩)を使っても大丈夫でした。
☑️硝酸アンモニウム(ひえっぺなどの瞬間冷却材)は、材料名に「シリカ」の記載があるもので作ってもうまくいきました(もちろんないほうがいいですが)。
☑️エタノールがないときには、燃料用アルコール(エタノール・メタノールが混じっている)を使ったこともありますが、それでもできました。ただ、メタノールが混じると樟のうが溶けにくくなり、必然的にアルコール量が増えるのでオススメはしません!
☑️水は普通の水道水(浄水にはしている)を使っています。
☑️材料の計量も0.1gまでのはかりを使っていますし、液体に関しては100均ビーカーでやってもできました(ビーカーは目盛りが正確とはいえない)。
かなりアバウトにやってもできてしまいます。
手順
入れる順番もそれほど気にしなくていいと思います。おそらくうまく混ざればよくて、最後に湯せんして溶かしてしまえば問題ないのではと予想しています。
大事なポイント
材料
樟のう(しょうのう)
防虫剤ならどれでもいいわけではありません。樟のうでなくてはならないので、成分表示をよく確認してください。
最近の防虫剤は、ナフタリンとか、パラジクロロベンゼンなどが使われていることが多いです。樟のうを使った防虫剤はめずらしく、ホームセンターでも手には入らないことがあります。百均ではまずお目にかかれません。
私が使ったのは白元アースの「きものしょうのう」です。製造元を確認すると、原料に「しょうのう」と書かれています。
天然のしょうのうで作りたい場合は、このあたりかなと思います。
このように、材料が「しょうのう」であることを確認して使用してください。
瞬間冷却剤
冷却剤も材料がいくつかあります。「硝酸アンモニウム」が使われているものを選んでください。硝酸アンモニウムは別名「硝安」と書かれていることもあります。
私が探したときには、硝酸アンモニウムが原料になっているものは少なかったです。成分をよく確かめてください。
結晶に変化がないとき
時間
変化するようになるまで時間が必要です。2週間から1ヶ月は見ておいたほうがよいかもしれません。
私の場合は次のような感じでした。
作ってすぐ……粉砂糖や片栗粉みたい
数日後~1週間……小さめの結晶が出てくるだけ
それ以降……結晶に変化が見られるようになる
温度
気温の変化が大きいほうが、結晶の形が変わりやすい印象はあります。夏や冬は冷暖房のある部屋に置いておくと、さらに変化が大きくてよいかもしれません。
「結晶が溶ける」→「結晶が出る」を繰り返しながら結晶が変化していきます。出るときにどんな温度変化をするかで形が決まるのだと思われますが、まずは「溶ける」ことが重要です。温度変化で結晶の一部が溶け、さらに結晶化することで形が変化すると考えてください。
容器
また、ギャラリーの写真量からもわかるように、容器はあまり大きくないほうが変化が出やすいです(おそらく水温が上がり下がりしやすいからだろうと思います)。
小さめの容器を使うとか、細長い容器を使うなどしたほうが、結晶の形が変わりやすい可能性はあります。
結晶がでないとき
水を加える
水を加えると結晶が増え、エタノールを加えると結晶は減ります。結晶がでない場合は、まず水を加えてみましょう。少しずつ足してください。量が2倍近くになっても結晶が出ない場合は、材料の量をチェックしたほうがよいと思います。
それでも出ない場合
作り直すことをオススメします。材料の量が間違っていないか、はかり間違っていないか、よく確認しながら進めてください。
まとめ
意外に思われるかもしれませんが、かなりアバウトな作りで大丈夫です。日ごとに結晶が変化していくわけではないので、変化を見るには時間がかかります。結晶がちゃんと析出している場合は待ちましょう! また、温度変化が重要みたいなので、容器を変えるのも手だと思います。