短期間 みょうばん結晶の作り方! 1週間で2~3cm(十円玉サイズ)

2020-03-01

今回使用したのは、「焼みょうばん(無水アンモニウムミョウバン)」です。カリウムミョウバンでも同じ手順で作成できます。

みょうばんの性質はこちらで確認してください。

はじめに

準備するもの

必要なもの

焼みょうばん(生みょうばんがあればそのほうがよい)
(透明なナイロンミシン糸や細い針金など)
(糸をつるすためのもの。なんでもよい)
(水道水で構わない。浄水のほうがよい)
耐熱容器(熱しても大丈夫なもの)
カップ(500mlペットボトル、プリンやゼリーの容器など。透明なほうが観察しやすい)

参考/管理人が使用したもの
焼みょうばん(アンモニウムミョウバン 30~40g)
500mlペットボトル(結晶が大きくなったので、途中で上側だけ切った)
どんぶり(電子レンジOK)
わりばし、φ0.28mmの針金

むずかしさ

所要時間:1週間くらい
難しさ:簡単(みょうばんを溶かすときの熱湯などに注意)

前準備

※「生みょうばん」(粒状)が手に入った方は、この手順を飛ばすことができます。

焼みょうばんを生みょうばんにする

焼みょうばんを水に溶かして結晶化させます。焼みょうばんを水に溶かして結晶化させることで、水和したみょうばん(生みょうばん)になります。これを結晶作成に用います。

注 意

熱湯・突沸(いきなり沸騰して液が飛び出すことも)に注意してください。電子レンジで行う場合は、振動を与えた途端(持ち上げた途端)に突沸がおこることがあります。すぐに持ち上げず、割り箸などでとんとんしましょう。危ないので、大人の人と一緒に行いましょう。

やりかた1(火にかける)

湯煎にかけて(または火にかけて)溶かすのが一般的ですが、やってみるとかなり溶けにくいです。湯煎よりも、火にかけたほうがよいと思います。

1 鍋に水200mlとみょうばん30g(夏は40gでもよい)を入れて火にかける。混ぜながら溶かす。
2 溶けたら、1晩置く(ゴミが入らないようにラップなどをする)。
3 結晶が出てきたら、溶媒(液体)と結晶をわける。

※夏場に行う場合は、みょうばんを40gにしたほうがよいかもしれません。あまり濃いと結晶がどばっと出て、綺麗な種結晶が取れないこともあります。ただ、溶け残りが出ることも多いですし、水を正確にはかれていないこともあるため、少し多めでもよいと思います。

やりかた2(電子レンジ編)

1 耐熱容器に水200mlとみょうばん30g(夏は40gでもよい)を入れ、よく混ぜてから電子レンジで1~2分加熱。
2 電子レンジから取り出してよく混ぜる。濁っていれば、さらに1分間加熱する。

(2を必要なだけ繰り返す)

3 透明になったら(うっすら濁っているくらいでもOK)、 1晩放置する (ゴミが入らないようにラップなどをする) 。
4 結晶が出てきたら、溶媒(液体)と結晶をわける。

電子レンジ編の注意!

・よく混ぜてから電子レンジにかけてください。電子レンジから出すとき、レンジから出して混ぜるときは注意しましょう。
・手順1、2の時間は目安です。管理人は600Wで行っています。
・手順3のうっすら濁っているというのは、「半透明」な状態で、どんぶりの底の絵が見える程度です。ろ過したほうが本当はよいのですが、しなくてもわりと大丈夫です。そしてコーヒーフィルターでろ過してもすり抜けることがよくあります。

結晶がでてこない場合

1晩で結晶ができないこともあります。振動を与えて(指でトントンする)、冷蔵庫などに入れておくとだいたい結晶がでてきます。それでも出ない場合は、水やみょうばんの量を間違えている可能性があります。

結晶の作成方法

1 できた結晶から綺麗なものを選ぶ。この結晶を、以下、結晶(選)と記す。

この結晶を種結晶といいます。今回は質より早さ優先なので、大きくて、綺麗な形のものを選びましょう。この時点で正八面体型が手に入ることはめったにないです。結晶が透明で、大きく、形が綺麗なものを選んでください。

生みょうばんが入手できた場合

※生みょうばんが入手できた場合は、その中から形のよいみょうばんを選んで種結晶にします。それから飽和水溶液を作ります。カップに水とみょうばんを入れてよく混ぜてください(湯せんをするか、ぬるま湯を加えるとやりやすいです)。加える分量は次の通りです。溶け残りが出る量にしています。なお、水温としていますが、気温と考えいただいても大丈夫です。

水 温みょうばん
10℃5グラム
20℃7グラム
30℃10グラム
40℃13グラム
水100mlにとかす量

※溶解度はこちらのページを参考にしています。

2 溶媒(液体)をカップに入れる。

3 選ばなかった結晶から1gほどをカップに入れ、湯煎で溶かす

焼みょうばんのときと違って湯煎で溶けます 。

どんぶりに熱湯を入れ、カップをつけます。5分ほど置いたら、あとは溶けるまでしっかり混ぜてください。熱湯が冷めたら、熱いものと取り替えてください。溶け残りがないようにしましょう。そのほうが結晶の成長が早いです。

4 よく冷ます(1時間くらい置いてよい)。

ここでよく冷まさずに結晶(選)を入れると、結晶(選)が溶けることがあります。すぐに結晶は出てこないので、時間をおくようにしてください。

5 冷ましている間に、1で選んだ結晶(選)に糸などを結びつけ、さらに棒に結びつけてつるせるようにする。

6 カップに結晶をつける。液体の真ん中当たりに調整する。1晩置く。

右図のようにセットします。
※ペットボトルの場合、最初はそのまま使ってください。溶かすときにシェイクできて楽です。結晶が大きくなると入り口を通らなくなるので、そのときは、上側をハサミやカッターで切り取りましょう。
※作成中、底にできる結晶が綺麗な場合もあります。確保しておくと、再チャレンジするときに使えます。

※ゴミが入らないようにしてください。

7 翌日、結晶を取り出し、3、4、6を行う。これを繰り返す。

アドバイス

手順3でカップに加える結晶の量は、結晶(選)の成長に従って少しずつ増やしていくとよい。今回は、1g弱からはじめて、2g弱まで増やしている。

同じカップで複数同時に行っても構わない。 管理人は2個同時に行っている。その場合、溶かすみょうばん結晶の量は増やす。

作成したみょうばん結晶

みょうばん結晶の変化

みょうばん結晶の大きくなる過程です。背景は工作マットなので、目盛りは1cmです。これをもとに、大きさが比較できるように6つの写真を並べました(おおよそで調整しています)。だいたいこのような感じで大きくなっています。同じカップで育てていますので、途中で結晶を取り違えた可能性もあります。


開始した日

焼みょうばんを溶かして結晶化させたもの。ここから種結晶を選びます。

選んだ種結晶を針金で固定。できるだけ綺麗で、透明な結晶を使います。

できるだけ大きく、綺麗な種結晶を選びました。針金で結ぶのが一番かんたんです。糸が見えにくいものを使いたければ、無色のミシン糸をおすすめします。


2日目

さらに大きくなりました。針金に結晶がつき、カップの底にも結晶が残っていました。針金の結晶は綺麗に取り除き、結晶(選)についた小さな結晶も削り取りました。

小さな結晶は取り除く
取り除いたあと

3日目

さらに大きくなりました。くっついた小さな結晶は取り除きました。1.5cmくらいに。


4日目

さらに大きくなりました。結晶(選)についた小さな結晶を削り取りました(写真左の下部分、削りすぎました)。ペットボトルの口から出すのがぎりぎりになったので、ペットボトルの上側を切り取りました。


5日目

正面から撮影
少し斜めから撮影

2cmを超えてきました。写真ではわかりにくいかもしれませんが、右の結晶は、八面体に近い形になっています。左の結晶は、2つが合体したような形です。


6日目

3cm近くまで成長しました。重さは(針金を含んで)、どちらも7.6gです。針金分をのぞいくと、7gほどではないかと思います。

おわりに

焼みょうばんの加工と種結晶の作成に1日、結晶作成に6日、およそ1週間ほどで、十円玉程度の結晶が作成できました。順調にいかないことも考え、10日ほど余裕を持ったほうがいいと思います。

透明度はいまひとつですが、短期間でも大きな結晶を作成することができます。1週間以上続ければ、さらに大きな結晶ができますよ!

結晶作成は気温の変化も重要なのですが、夏場は温度調整が難しいかもしれません。昼間に室温が上がりすぎて、結晶(選)が溶けることもあります。冷蔵庫や水をはった発泡スチロール容器を利用してください。