みょうばんで巨大な結晶を作る方法
正八面体型にこだわらず、見た目にインパクトがある結晶を作るのはいかがでしょう。今回、私が制作した中で最もインパクトがあった結晶はこちら。

まるで、オーストラリアのエアーズロックのような結晶ができました。大きさもかなりのものです。1日~1週間程度で、大きな巨大結晶が出てきます。今回のは3日目に析出、そのあと数日間、放置しておいたものになります(大きさがほとんど変わらなかったので取り出しました)。
細かい作業や日々のお世話が不必要なので、最初の計量や、熱湯を使う点に注意すればとても簡単です。
写真でも端のほうは透明なことがわかりますが、写真よりも透明度があります。中が白く濁っているだけで上側は透明なので。三角と六角形で層を作ったようなあとが残っています。

巨大結晶を作るには運が必要
みょうばんを大量に溶かして置いておくと大きな結晶が出てきます。出てくる結晶は様々ですが、写真のように1つの大きな結晶が出てくることがあります。
短期間で出来るところはメリットですが、できるかどうか分からないというディメリットがあります。同じ方法で行っても、小さな結晶がたくさん出てくることも多いです。こちらはごつごつした岩山のような感じで、とても崩れやすいです。
そのため、写真のような巨大な固まり結晶ができるかは運もあります。このテーマを選んだ場合、できた結晶は全て保管しておくことをオススメします。思ったような結晶が取れなければ、結晶標本としてまとめるのも一つの手です。様々な形のものができるため、綺麗なものや、比較的大きな固まりを並べるだけでもインパクトがあります。
用意するもの
みょうばん(カリミョウバン、またはアンモニウムミョウバン)
耐熱容器、水、ラップ
みょうばんは、焼みょうばんでも生みょうばんでもよいです。焼きみょうばんは無水物、生みょうばんは水和物です。
巨大な結晶ができたときに使用したもの
焼カリウムミョウバン 60g(くらい)
水 400ml
耐熱どんぶり(いらなくなったもの)
ラップ
そもそも、焼みょうばんをみょうばんにする際の方法です。水和したみょうばんを作る際に、何回かに1回、巨大結晶が出てきます。
巨大結晶ができた手順
1 焼みょうばん60gと水400mlをどんぶりに入れ、よくかき混ぜる。
2 電子レンジで2分間加熱する。
3 よくかき混ぜて、さらに1分~1分半、加熱する。
4 手順3を液が透明になるまで繰り返す。
5 ラップをして置いておく。
<注意!>
電子レンジで液体を加熱するときは、熱湯・突沸(いきなり沸騰して液が飛び出すことも)に注意してください。
※水に入れて熱しても溶けます(溶けにくいです)。火・熱湯を使用するので注意してください。
※狙って作れるものではありませんが、大量に溶かすと様々なおもしろい巨大結晶ができます。
いつもは1日で結晶が析出しますが、巨大結晶ができたときは出てきませんでした。そのまま置いておいたのですが、2日目にも結晶が出てこなかったため、振動を与えました。2分くらい指で容器をトントン叩きました。翌日、大きな結晶が出てきました。もう少し大きくなるといいなと思って、さらに数日そのままにしました。大きさに変化が見られないので、取り出しました。
さらに結晶を作成する手順
<巨大結晶ができた手順>を行ったあと、狙ったような巨大結晶ができなかった場合は以下のようにしてください。
1 1回目に作ったときの溶液に、みょうばん20g~50gを入れ、よくかき混ぜる。
2 <巨大結晶ができた手順>と同じく、溶かして放置する。
溶液が少なくなってきたら、水を足してください。巨大結晶を作成するのに十分な水があれば十分です。目安としては、50mlくらい追加でよいと思います。
手順1で加えるみょうばんは、焼みょうばんでも、生みょうばんでもよいです。生みょうばんなら湯煎で溶かすのもわりと楽だと思います。焼みょうばんなら少なめ、生みょうばんなら少し多めで。
加えた量、気温、気温の変化など様々な要因が重なって結晶状態に違いがでます。どれくらいみょうばんを追加するのが正解かは分かりません。
巨大結晶ができるまでチャレンジしてみましょう。
結晶ギャラリー


おわりに
できた結晶は、できるだけ素手で触らないようにしましょう。食塩のように持っているだけでしっとり濡れてきます。触るときには素早く! または軍手などをはめて触るとよいです。
様々な結晶ができます。箱に詰めて結晶標本にするのもよいです。また、できた結晶の形をスケッチしたり、条件とできやすい結晶の形の関係を探したりすると、よいレポートができると思います。