簡単・放置 宝石みたいなみょうばん結晶の作り方!

2020-05-30

今回は、みょうばん結晶をプリンカップに放置した場合の結果です。八面体型を作るのは難しいですが、宝石のようなみょうばん結晶ができました。透明度も高くてとても綺麗です。

今回使用したのは「焼みょうばん」です。基本はカリウムみょうばんで作っているのですが、少しだけアンモニウムみょうばんの種結晶を使っています。ちょっとおもしろい結果になったのでご報告します!

みょうばんの性質はこちらで確認してください。

はじめに

準備するもの

必要なもの

焼みょうばん(生みょうばんがあればそのほうがよい)
水(水道水で構わない。浄水のほうがよい)
耐熱容器(熱しても大丈夫なもの)
カップ(プリンカップなどでよい。2個あると便利)

その他、ペットボトルなどの密栓容器があると便利です(みょうばん飽和水溶液を保管するため)。プリンカップが2個あると便利な理由は、「お手入れの仕方や注意」をご参照ください。

むずかしさ

所要時間:2ヶ月くらい
むずかしさ:かんたんだが、気温の影響を受けるので思ったようにはならない可能性も。

前準備

種結晶と飽和水溶液を作ります!下の記事で記載した「前準備」と同じことを行っています。こちらを参照してください。

ここで作った飽和水溶液は、ペットボトルなどに保存しておきましょう(夏場に作るときは形のよくない種結晶をペットボトルに追加しておくとよいです。気温が変化しても飽和が保たれます)。

生みょうばんが入手できた場合

※生みょうばんが入手できた場合は、その中から形のよいみょうばんを選んで種結晶にします。それから飽和水溶液を作ります。カップに水とみょうばんを入れてよく混ぜてください(湯せんをするか、ぬるま湯を加えるとやりやすいです)。加える分量は次の通りです。溶け残りが出る量にしています。なお、水温としていますが、気温と考えいただいても大丈夫です。

水 温みょうばん
10℃5グラム
20℃7グラム
30℃10グラム
40℃13グラム
水100mlにとかす量

※溶解度はこちらのページを参考にしています。

結晶の作成方法

作成装置を作る

カップに種結晶をいくつか入れます。さらにみょうばんの飽和水溶液を入れます。みょうばん結晶の上面から2cmくらいの高さまで入れてください。ティッシュペーパーなどでフタをして、放置します。

こんな感じです!

お手入れの仕方や注意

  • 水溶液の量が減ってきたら足してください。
  • 小さなおじゃま結晶が出てきたら、取り除きます。残したい結晶を別の容器に入れ、溶液(上澄み)だけを注ぐ方法が簡単です。析出した小さな結晶は飽和溶液をいれた密栓容器に入れて、カップは洗っておきます。
  • 気温が急に高くなるとせっかく成長した結晶が小さくなります。できるだけ温度変化の少ない場所で作りましょう(冷蔵庫や冷暗所がおすすめです)。

いろんな結晶を作ってみよう

種結晶の形がそのまま大きくなることがほとんどです。ピラミッド型や八面体型、正八面体型の結晶が作成できます。今回は正八面体型の種結晶が取れなかったので、残念ながら作れませんでした。正八面体型は毎日結晶の向きを規則的に変えていく必要があるため、お世話が少したいへんです。

大きめサイズで約2ヶ月、小さめは1ヶ月ほど。大きくなるにつれ、カップにすべてが入りきらなくなったので。
赤色結晶の左上にある小さな結晶は、お邪魔結晶を放置したもの。透明です!

飽和溶液が無くなり、気温も上がってきたので一旦終了することに。結晶の高さぎりぎりまで放置しました。
ラスト1週間程度はお邪魔結晶も放置しました(色が入るか試したくて)。

オーソドックスなバージョン

ピラミッド型を作成していたのですが、気温が急に上がったことで天井付近が溶けました。山型の結晶に。八面体型のほうは順調に育っていきました!

カリみょうばんとアンモニウムみょうばんを混ぜると?

写真右の2つは、結晶の中心が白くなっています。なぜかというと、種結晶がアンモニウムみょうばんで、溶液がカリみょうばんだからです。アンモニウムみょうばんの種結晶からも成長していきますが、写真のように境界面が白くなることがあるようです。これはこれでおもしろいなと思いながら育てました。

色をつけてみる!

赤い食紅を加えました。思ったようには色が入っていません。結晶構造の中へ均等に色が入るのではなく、隙間に色が入り込んだように見えます。制作途中ではまったく赤色が入らず、色つき結晶は難しいなと思ったほどです。液は濃いめにしましょう!

まとめ

ゆっくり制作したので透明度の高い綺麗な結晶ができました。色をつけたり、アンモニウムみょうばんとカリみょうばんの2つを使うことで、結晶研究の幅が広がります!

いろんな作り方を試して、上手にまとめてください! とても充実した観察記録になると思いますよ。