食塩の結晶を作ろう!

2020-04-16

食塩の結晶は大きくするのに時間がかかりますが、失敗は少なく、お手入れも簡単です!

結晶の代表格であるみょうばんは、温度によって溶ける量が大きく変わります。そのため気温の変化を受けやすく、時期によっては日々のお手入れが大事になることも。

その点、食塩は溶ける量はそう大きく変わりません。そのため少しのお手入れで、簡単に結晶を作ることができます。

はじめに

必要なもの

容器(2つ)
食塩、水
ペットボトルや空き瓶(密栓できる容器)

容器はプリンカップくらいの大きさのものを使っています。大きな容器で行う場合は、作っておく水溶液の量を増やしてください。

あるとよいもの
ティッシュペーパーやキッチンペーパー
輪ゴム
ピンセット
深皿のような広めの容器(種結晶作成に使用)

むずかしさ

所要時間:ミニサイズに1週間くらい、大きめのものは1ヶ月以上
むずかしさ:かんたん

結晶の作り方

飽和食塩水の作り方

密栓できる容器に水と塩を入れて振ります。必要に応じて、水溶液の量は調整してください。次の比率を目安にしてください。

水 50g
食塩 20g

ミニサイズ(種結晶)を作るだけなら、この量で充分です。大きめのものを作る場合は、2~5倍に増やしておくと楽です。今回は水150g、食塩60gで作りました。

  • 食塩は溶け切りません。少量残りますが、「これ以上溶けない!」と思ったところからさらに溶けるので、念入りに振ってください。
  • また、食塩には不純物が含まれています。食塩によっては溶けきってしまう可能性もあります。足りなければ溶け残りが出るまで食塩を増やしてください。
飽和食塩水とは?

飽和食塩水というのは、水に食塩を溶かしてもうこれ以上は溶けないという状態の水溶液です。簡単にいうと、溶ける限界まで食塩を溶かせば、飽和食塩水になります。

食塩の溶ける限界は、温度によって少しだけ異なります。ちなみに、水100g中に溶ける食塩の量はおおよそ次の通りです。
20℃ 35.8グラム
25℃ 35.9グラム
30℃ 36.0グラム

種結晶(ミニサイズ)の作成

飽和食塩水を容器に入れます。底から0.5~1cm程度で充分です。溶け残った食塩が入らないように注意しましょう。暖かいところに数日おいておくと、結晶が出てきます。

残った食塩水は、ペットボトル(または空きびん)に入れたまま取っておきます。

2~4mm程度ですが、形はきれいです。

ルーペで拡大。直方体のものがほとんどです。

容器について

もしあれば、広めの容器(深など)を使ってください。ちなみに、私はヨーグルト(大)の蓋を使っています。

水がはやく蒸発してほしいので、蒸発する液面が大きくなるように底が広めの容器がおすすめです。また、できた結晶を観察しやすく、取り出しやすいです。

が、だいたいどんな容器でも大丈夫です。

その他のポイント

ほこりが入らないようにしたい場合は、キッチンペーパーなど通気性のよいもので封をしてください。とくに気にならない人は、そのまま窓際などに置いておください(私はこちらでやりました)。

結晶を大きく育てる

結晶作成の準備

  1. 容器の1つによくできた種結晶を入れます(以後、容器1とする)。
  2. ペットボトルに残しておいた食塩水を、高さ3cmくらいまで入れます。
  3. ティッシュペーパーやキッチンペーパーをかぶせ、ゴムで固定します(ゴミを防ぐためです。蒸気が出ていくように、通気性のよいもので覆いましょう)。
ペーパーの蓋はずっと同じものでよいです。

お手入れの仕方

毎日観察して、底に小さな結晶粒ができてきたら容器を入れ替えます。

  • 容器2(用意しておいた別の容器)に育成している結晶を移します。ピンセットやお箸を使ってください。
  • 容器1の食塩水を、容器2に入れます。結晶粒が入らないように気をつけてください。
  • ペーパー蓋をかぶせて、ゴムで固定します。
  • 容器1を洗って干しておきます。明日はこちらに入れ替えます

※容器の食塩水が減ってきたら、ペットボトル(または空きびん)から足してください。

結晶の様子

約2週間育てたもの
とてもきれいです。

さらに約3週間育てたもの(左)
右は追加で育てている2週間くらいのもの。

5mmを超えてくると、側面に結晶粒がつくようになります。側面はでこぼこしていますが、表面は平らです。やりかたが悪かったかと、さらに追加で作成しましたが、5mmを超えた当たりから四隅に粒らしきものがつきはじめているように見えます(さらに継続する予定)。

1月と10日ほど掛かっていますが、結晶はとても綺麗です!

正六面体の結晶を作ろうとした結果

立方体の形で作ろうと新たに作り直した結果です。最初は正六面体で作れていたのですが、だんだんとこんな形に。塩の結晶形をコントロールするのは難しかったです。ただ、かなり大きな結晶ができました。

1.5cmほどの結晶ができました。厚みもあります!
厚みがわかりやすく映したもの。左端のものは正立方体形に近いです。
こんな感じでほぼ放置です。結晶がくっつかないように、食塩水がなくならないようにチェックするだけ。

まとめ

時間さえかければ、かなり大きく成長します。必要なものも、食塩と水、空き容器・びんくらいで、家にあるものを使用できます。綺麗な立方体の結晶ができるため、ミニサイズを作るだけでも楽しいですよ。

そのまま大きくできればよいのですが、何度か試しても一定の大きさを超えると結晶粒がつく形で、結晶が大きくなっていきます。これはこれできれいなので満足ですが、今度は違うメーカーの塩で試してみたいと思います。